子育てをはじめてしばらくたつと、子供は這いずり回るようになり、やがて立って歩くようになります。
最初は寝ているだけだった赤ちゃんが1年も経たぬ間にどんどん行動範囲が広がり、棚の上にも手が届くようになってきます。
テッシュを散らかすようになったり、ハサミなど危ないものを取ろうとしたり…。
子育てをしているとよくあることですよね。
親としては見ていてヒヤヒヤすることが多くて「ダメ!」と言ってしまうことが多くなってしまいます。
ですが、本当にそれでよいのでしょうか?
子供の行動を制限しない
僕はあえて「子供の行動を制限しないこと」をできる限り実践しています。
なぜなら子供の行動を制限することは子供の自由な発想やチャレンジ精神を育てるうえで良くないことだと思うからです。
これは大人に置き換えてみるとわかりやすいと思います。
たとえばあなたが職場で自分で考案した新しい仕事方法を実践していたとしましょう。
ところが上司が「何勝手なことやっているんだ!」と頭ごなしに文句を言ってきたらどうでしょうか?
もう自分で考えて仕事する気がなくなっちゃいますよね。
なんでも上司にお伺いを立てて、上司の言うとおりに仕事をする”指示待ち人間”であることに徹するようになると思います。
子供も同じことで、子供が自分で何かやろうとしたときに毎回「ダメ!」と言っていたら子供の好奇心やチャレンジ精神を阻害することになってしまうのです。
そうして育った子供は、なんでも思うままに行動してチャレンジしてきた子よりも”保身”に気を配るようになり、せっかく持って生まれた好奇心が台無しになってしまいます。
ですから、重要なことは「ダメ!」という言葉をできるだけ使わないこと。
「ダメ!」という回数が多ければ多いほど、子供の好奇心はどんどん削がれていってしまうからです。
子供の行動を制限しない環境づくり
しかし、子供の行動を制限することは良くないとはいえ、制限せずに子育てするなんて無理じゃないか?
そう思われるかもしれません。
たしかにここは工夫が必要です。
たとえば包丁など危険なものが沢山あるキッチンへ子供が自由に出入りできる状況は好ましくありません。
だからキッチンの周りをフェンスで囲ったり、出入り口にベビーゲートなどを設置するなどして出入りできないようにするのです。
こうしておけば、子供が勝手にキッチンに入って危ないものを触ることもありません。
ゆえに「ダメ!」という言葉を使う回数も減ります。
可能な限り広い空間で遊べるようにしてあげる
子供が遊ぶリビング等はどうでしょうか?
我が家の場合は3LDKのマンションなのですが、リビングとその隣の和室、そして廊下とその先の寝室まで丸ごと子供が遊ぶための空間として使うことにしました。
和室や廊下のふすまや扉は常時開放状態にして、子供ができるだけ広い空間で自由自在に歩き回れるようにします。
そしてリビングにはおもちゃ棚と絵本を、和室にはジャングルジムを置いて、コンセントには全てカバーを付け、子供が自由かつ安全に遊べる環境を整えています。
さらに、そのうえで子供が登れそうな棚はリビングから排除し、手の届く高さに物を置かないようにしました。
親のものは押入れや別室に全て移動して、その部屋にはフェンスを設置して入れないようにしています。
僕と妻のものは6畳の洋室を作業部屋として確保し、その部屋を二人で半々に分けて使っています。
親のスペースを極限まで減らし、残りのスペースは全て子供の遊び場にするという感じですね。
ここまで徹底してやれば、目を離しても安全だし、子供も自由に遊ぶことができます。
子供のいたずらは咎めない
子供が触ってはいけいないもの遊び場から排除しても、やっぱり子供というのは必ずいたずらをやります。
たとえばうちでは子供がドアの開け方を覚え、トイレへ勝手に入るようになりました。
するとトイレットペーパーを引っ張り出して遊んだり、便器の上によじ登って手洗いの水で遊んだり…。
親としてはついつい「ダメ!」と言ってしまうようなことをすぐに覚えます。
けれどもここはグッとこらえて静かに見守ってあげてほしいと思います。
子供は別に親を困らせようとしてトイレットペーパーを引っ張り出しているわけではありません。
ぐるぐる回すと紙がどんどん出てくるのが面白くて、好奇心を刺激されてやっているわけです。
これは子供にとっては貴重な学習体験です。
これを「ダメ!」と言って止めてしまうのはもったいないことです。
ティッシュペーパーを箱から全部引っ張り出して丸ごとダメにすることもあります。
けれど、子供にとってはこれも貴重な学習体験です。
確かに勿体ないかもしれませんが、ティッシュの一箱や二箱くらい別にいいではありませんか。
暖かく見守って、子供の好奇心を大切にしてあげるようにしてほしいです。
ダメ!という言葉を使うとき
ここまで徹底して「ダメ!」を排除するべきだというお話をさせていただきました。
しかし、それでも使わなければならないときはあります。
それはやはり、危険なことをしたときです。
たとえば、車道に飛び出そうとしたとき。
エレベーターの扉で遊ぼうとしたとき。
こんなときは「絶対にダメ!」と強く言うことが必要だと思っています。
ただし、このときもダメ!と言って終わるのではなく「なぜダメなのか」を説明することが大切です。
「車道に飛び出して事故にあったらお父さんもお父さんが辛いから」
「エレベーターに挟まれて死んでしまったらお母さんもお父さんも泣いてしまう」
このように、できるだけアイメッセージで「なぜダメなのか」をしっかりと説明してあげるようにしましょう。
そうすることで、きっと子供の方も素直に受け入れてくれると思います。
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