子育て

子育ては「人格をつくる仕事」という覚悟をもって育児をする

「子育ては人格をつくること」……この言葉は、はじめて子供が生まれる前に母から聞いた言葉です。
子供に与える親の影響が大きいことは、もはや議論の余地もないことだと思いますが、この言葉はそれを端的に示していると思います。

 

「親は選べない」……なんてことも、世の中ではよく聞く話です。
生まれてくる家庭がどんな家庭か、つまり親がどんな人物かで子供の人生が決まってしまうという意味がこの言葉には込められています。

 

僕は、親が子の人生を全て決定してしまうとは思いません。
ですが、一人の人間が一人前になっていく過程でもっとも影響力があるのは親であることもまた事実だと思います。
ですから、親は子の人格を作る…ということは決して言い過ぎではないと思うのです。

 

では、親として子の前でどのように振る舞えばよいのでしょうか?
何を気をつけて、どのように子に接していけばいいのでしょうか?

 

 


親は子供を”洗脳”する

人間は言語によって思考します。ですから、言葉というものは人の思考を左右するものだと言うことができます。
思考はその人の考え方や行動など、その人の全てにおいて影響します。思考は人格そのものだと言っても過言ではありません。

 

ゆえに、言葉が子供の人格形成に与える影響は絶大です。

 

脳科学者の苫米地英人氏によると、人間は生まれた瞬間から洗脳にさらされているといいます。

 

それは、親であったり教師であったり友人であったり…はたまたテレビや新聞、SNSや本…挙げ始めるときりがありません。
ともかく、人間はあらゆる他者から様々な言葉を受け取り、それを自分の思考の中に組み込んでいくというのです。

 

親から子にかける言葉が洗脳…ということには抵抗を覚えるかもしれません。
ですが、言葉が子供の思考に影響する以上、それは大なり小なり洗脳と言えるわけです。

 

「バカだね」と言われて育った子はバカになります。

 

人間は他者からかけられる言葉によって、自己を定義していく生き物です。
自分だけで完結している人間など、この世にはいないのです。
そうであれば、子供にかける言葉を選ぶことがどれだけ重要かがわかると思います。

 

 


子供にかける言葉を「選別」する

親と子供は毎日顔を合わせるし、多くの時間を共有します。
そんな中で子供にかける言葉を選別するというのは簡単なことではありません。

 

たとえば子供が水をこぼしたら思わず「こら!」「こぼしちゃダメでしょ!」と言ってしまうかもしれません。
でも、僕はあえて叱るようなことはしません。無意味だと思うからです。

 

子供が水をこぼしたときはチャンスだと捉えて、「あちゃー、こぼしたか。じゃあタオル持ってきてふきふきしようか」とお手伝いをお願いします。
すると、子供も頼りにされているのが嬉しいのか一生懸命拭こうとします。
キレイに拭けたら「ありがとう」と感謝の言葉をかけ、「次からはこぼさないように気をつけてみようね」と次のチャレンジができるようにつなげます。

 

また、ネガティブな言葉は徹底的に口にしないようにします。
たとえば…

 

  • 「しんどい」
  • 「つかれた」
  • 「だるい」
  • 「お金がない」
  • 「めんどくさい」
  • 「できない」

 

といった感じの言葉です。
これらの言葉は気をつけていないとポロッと口から出てしまう言葉ですが、言うことに何か意味があるでしょうか?
まったく何の意味もありませんよね。

 

子供の前で「めんどくさい」とか「しんどい」とか言うから、子供も言うようになるんです。
「お金がない」に至っては無意味であるばかりか完全に嘘です。
財布の中に1円でも入っていればこの言葉は嘘なんです。

 

子供の前で平気で嘘をついてよいのでしょうか?

 

口にすることが無意味で、嘘である以上、口にすることをやめたほうがよいと思うのです。
ですから僕は、これらの言葉を口にしないようにしています。

 

 


言葉を変えるために自分の思考を変える

望ましくない言葉を口から出さないために最も良い方法は自分の思考を変えることです。
言葉は思考によって生み出されますから、その根本を断つという発想ですね。

 

たとえばあなたにとって日々の食事作りが「めんどくさい」ことだったとしましょう。

 

けれども、実際に目の前にあるのは”食事を作らなければいけない”という現実があるのみです。
それはその時点では「めんどくさい」ことではありません。

 

あなたが「めんどくさい」と思うからめんどくさくなるのです。
そうは言ってもめんどくさいものはめんどくさいんだから仕方ないじゃないか!と思われるかもしれません。

 

だからこそ、「めんどくさい」と思ってしまう思考そのものを変えてしまうわけです。
では、食事作りがめんどくさいならどのように思考を変えればよいでしょうか?

 

僕の場合は、食事作りに対する考え方を改めました。
毎日食事を作ると料理のスキルが上がり、自分でおいしい料理を作れるようになります。
すると、奥さんも子供も「おいしい!」と言って食べてくれるようになります。
なにより、自分で自分が好きなものをおいしく作れるようになります。

 

そもそも、なぜ「めんどくさい」のかを考えてみるのもいいと思います。
きっと”なんとなく”そう思うだけで、明確な理由は無いと思いますね。

 

あなたが仕事と育児に追われていて時間がないために食事作りが「めんどくさい」なら、その状況に対する解決策を考えます。
たとえば、その日ぶんの食事の仕込みを朝の時間のあるうちに全て済ませておくよう日々の段取りを改善してみる…といったように、できることはいくらでもあると思います。

 

このように、自分が物事に対する考え方や行動を変えることによって思考は変わります。
思考が変われば言葉も変わります。いずれ「めんどくさい」という言葉は口から出なくなります。

 

 

 

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