前回の記事では、「風邪とガンは医者には治せない」というトピックで川嶋朗氏のお話をご紹介させていただきました。
今回は前回の続き、「薬」について川嶋氏のお話をご紹介させていただきます。
日本人は医者に薬を出されると何も考えずに飲みます。川嶋氏のお話は、この薬についてハッとさせられることが多くあります。
このお話を読むと、あなたも「薬」について考え直すきっかけになるかもしれません。
血圧の薬は飲むべきか?
生活習慣病で血圧高い人がいますね。そうすると 「下げる薬を飲まなければいけない」 と医者は言います。
さて、この言葉に矛盾を感じませんか?矛盾を感じなかったら皆さん相当毒されていることになります。
何が矛盾でしょうか?
僕もよく「血圧が高いのでどうしましょう?」と聞かれます。その場合は、下げる薬を飲まなければいけないとは言いません。
血圧は、 上140ー下90で線を引き、それより高い場合は 「将来的に脳卒中や心筋梗塞にかかるリスク(危険度)が高くなります」と言います。
また、「薬はそのリスクを下げるものです」と説明し、その上で「あなたはどうしたいですか?」と尋ねます。あとは患者さんの意見を尊重します。
本来こういう診療でなければいけない。薬を飲まなければいけないと、患者さんの人生を医者が決めるのはおかしい。そこが矛盾しているところです。
医者は、90歳の末期ガンの患者さんにも同じように言うでしょうか?まず言わないはずです。なぜなら遅かれ早かれ死ぬと思っているからです。
ただ、先程お話したように、人間は死亡率100%です。遅かれ早かれ死ぬんです。その人がどんな死生観、生き甲斐を持っているかわからないのに、こんな決めつけた言い方をしてはいけない。
薬を捨てる患者さんの話
これは僕の患者さんの話です。現在75歳のその 方は、ポケットの中から薬を出して見せてくれ、 60歳からこの薬をもらっているとのことでした。
僕は、「あー血圧の薬ですね。これで安定しているならいい薬じゃないですか」といいました。
すると、患者さんは、「飲んでいません」 というのです。
「十何年もですか?」
「はい」
「えっ、要らないなら断ればいいでしょう」
「あの先生は難しい人で、断ったらいざという時に診てくれないから」
「いざという時ってどんな時ですか?」
皆さんも考えてみてください…。
ほんとうはいざという時云々ではなく、単に遠くの医者に通うのが面倒なだけで、近場に通っているだけなんですよ。
何か分からないことがあったときに助けてくれると思っているかもしれないけど、無理です。
皆さんは、断ると機嫌が悪くなる、そういう医者をのさばらせちゃいけないですよ。その背景に何があるのか?も考えてほしい。
薬を捨てる(医療費数千億円)無駄遣い
先ほどの患者さんに、「もしかして、その薬捨ててますか?」
「はい」…
「えっ!」
「もし、これが10円だったらゴミ箱に捨てます か?」
「いいえ」
「この薬は10円以上しますけど!」
と言うと、下を向いてしまいました。
さらに僕は人が悪いので、55歳の患者さんに
「後期高齢者ですから医療負担は1割ですよね。ということは、この薬が10円だとして、あなたが払っているのは1円で、あとの9円は国民の皆さんからいただいているお金なのに、捨ててしまっているんですよね!」
と言うと、落ち込んでいました。
こういうことを平気でやっている、その合計金額はざっと数千億円だそうです。
数千億円がゴミ箱に捨てられているのです。これが現実起こっていることを自覚してください。
血圧の薬を120歳になっても飲み続けますか?
「血圧の薬は一生飲み続けないといけないですか?」という質問がよくあります。
僕はその患者さんに「120歳になっても飲み続けますか?」 と逆に質問します。
すると大抵の方は、「いや、そこまでは」 といいます。
100歳だったらどうしますか?
「いやー」
「じゃあ、何歳までだったら薬を飲むんですか7」
…と聞くと、初めて「平均寿命がこれくらいだからそのあたりまで…」 という返事が返ってきます。
「そうしないと、いつまでも死ねませんよ」(笑)
なぜ、自分の一生を人に決めてもらうのでしょうか?
おかしくないですか。止めたかったらいつでも止めていいですよ。
リスクをいつまで下げておきたいかは、その人その人の考え方ひとつです。
医者にすすめられても「私の人生ですから!」で終わりです。しかし、それができていないのが現状です。
胃が弱いという患者さんの話
これもよくある「胃が弱い」という思者さんのケースです。
「私、食べすぎるとすぐ胃にきちゃうんですよ」と言って、薬を出してくださいと頼まれます。
「じゃあ食べ過ぎなきゃいいでしょ?」
と言うと、今度は「食べ過ぎても胃にこない薬をお願いします」と。
そうなると、さしずめ胃酸を抑える薬を処方することになります。
しかし、問題はこの薬は継続していいのかということです。
胃酸の大切な働きのひとつに、胃ガンの最大の原因であるピロリ菌を抑えてくれる働きがあります。
そもそも、ピロリ菌は井戸水を飲んだ子供から感染するといわれています。それは、子供には胃酸を産生する能力がないからです。
もし薬で大切な胃酸を止めれば、胃ガンを呼び込むことになってしまうかもしれません。そんなことを平気でやっちゃっていいのでしょうか?ということです。
胃酸には重要な生体防御の意味があります。また、タンパク質を分解する消化酵素ペプシンは、胃酸(酸性状態)で働くわけですから、むやみに抑えればいいというものではありません。
根本は、分不相応なもの(量が多い、体質に合わないもの)を食べていることにあるわけですから、食べ過ぎなければいいだけのことなのに、医者に行って薬くださいと言うようなことがあまりに多い昨今です。
お任せ医療とイクスキューズ医療
どんなことが「お任せ医療か?」というと、まず皆さんの言動です。
「お任せします」
「どうしていいかわかりません」
「体のことは難しくてわかりません」
「この薬は一生飲み続けなければいけないのでしょう?」
こんなことを医者に聞いたら、「何々しなければならない」というに決まつているでしょう。
これをマスト(ねばならない)医療といいます。医者に言わせてしまっているのは一般の方々にも原因があります。
何も勉強しないで、「体のことは医者に任せておけばいいんだ」という現状があります。
さて、医者の側はどうでしょうか。
「手術では取り切れません」
「この治療は延命にしか過ぎません」
「再発しないとは限りません」
「可能性は否定できません」
「治ることはありません」
「治療は一生継続です」
このイクスキューズというのは、簡単に言えば言い訳ですね。医者も医者です。よく言うなと思いませんか?
「治ることはありません」という場合は、「私の知る限り、現時点では」と、付けなければいけないのに、そうしていない!実は、こういうふうに言っておかないと訴えられてしまうんですね。
この記事へのコメントはありません。